観月
けふの今宵寝る時もなき月見哉 松尾芭蕉
やっと涼しくなってきたかなぁ~ といいながら「今宵は月の風情に見とれて寝るときもないほどです。」
月と兔柄のきもので「観月」を楽しみたいものです。
今回は観月 月と兔のお話です。
兎は縁起物として平安時代から大切に日本文化に根付いています
- 長寿の象徴
日本だけでなく中国でも使われますが、中国では月で兎が不老長寿の薬を作るといわれていることから
- 子孫繁栄や豊穣の象徴
兔は高い繁殖能力があるから
- 飛躍・前進を願う
跳びはねて移動する習性から
※お宮参りや子供のきものや道具には、飛躍や前進の意味を込めて使われています。
- 物事をスムーズに進める
坂を速く登れることから
- ツキを呼ぶ
月に兎の模様が見える、月の使い
福を集める
長い耳は情報収集にたけている事から
月とうさぎの仏教説話によると、
月に兔がいる理由も語られています。・・・チョット悲しいお話。
ある日、
サル・キツネ・ウサギの3匹が、山の中で力尽きて倒れている老人に出逢いました。
3匹はなんとか老人を助けようと考えます。
サルは得意の木登りで木の実を集め、
キツネは素早い足で川から魚を捕り、それぞれを老人に食料として差し出しました。
しかしウサギだけは、どんなに頑張っても何もとってくることができませんでした。
何とか老人を助けたいと考えたウサギは、自らの身を食料として捧げるべく、
火の中へ飛び込みました。
倒れこんでいた老人の実際の姿は、帝釈天でした。
ウサギの善良で慈悲深い行いを後世まで伝えるため、帝釈天はウサギを月へと昇らせたとか・・・
秋の夜長
観月をきっかけに
月やウサギにまつわる物語を、探求するもの面白いと思います。
ちなみに9月29日(金曜日)が観月の日
信子のきものコーディネートもお楽しみに!
兎紋
因幡の白うさぎ、月で餅をつく姿などで昔からなじみのある動物です。長寿と子孫繁栄を意味し、戦国時代ころから家紋として用いられるようになりました。藤原支流の三橋氏が使用しています。図柄は兎の丸い愛らしい姿が写実的に描かれており、正面からとらえた真向き兎、真向き変わり兎のほか、横からとらえた対い兎、上からとらえた三つ兎、後ろからとらえた後ろ向き三つ並び兎、浪や月と合わせて描かれた夕波兎、浪に月に兎、立浪に兎などの種類があります。
- 観月にちなんで
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月にうさぎ紋
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夕浪兔紋
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波に月紋